採用ピッチ資料とは?参考例6選と作成時のポイント

企業が優秀な人材を確保するためには、魅力的な採用ピッチ資料の作成が欠かせません。しかし、「何を盛り込めばいいのか分からない」「他社との差別化が難しい」と悩んでいる採用担当者も多いのではないでしょうか?
本記事では、採用ピッチ資料の基本構成から、応募者に響くポイント、成功事例までを詳しく解説します。求職者の心をつかみ、採用力を強化するためのノウハウをぜひご覧ください!
採用ピッチ資料とは
採用ピッチ資料とは、求職者に向けて会社の魅力を伝えるための資料です。短いプレゼンテーション形式で、企業の事業内容、社風、社員、職場環境などを体系的かつストーリー性のある構成で伝えます。
1枚のスライドにつき、2〜3分を目安に作成します。
たとえば、40枚のスライドで構成される資料の場合、プレゼンテーション時間は約80分となります。
採用ピッチ資料の平均ページ数は40ページ程度です。
表紙には会社のロゴとともに応募職種を入れ、会社の概要や事業内容、業務内容などについて記載し、その会社で働く魅力などを伝えます。
採用ピッチ資料の参考例6選
他社の採用ピッチ資料を参考にしていただき、自社の資料作成の参考にしてください。
ログラス
株式会社ログラスは、経営管理クラウド「Loglass」を開発・提供しているSaaS(Software as a Service)系企業です。
採用ピッチ資料では、会社概要や事業、今後の展望などについて、画像付きでわかりやすく紹介しています。中でも「ログラスが作りたい未来」として、30年後の日本が「史上最高の成長率を記録」していることを新聞紙面風に記載していることが印象的です。
ログラスが何を目指しており、どういうことをコアミッションとして掲げたいかということが一目でわかりやすく、そこに共感できる人を引き付けやすい内容です。
ネオキャリア
株式会社ネオキャリアは、社会の変化や課題に合わせて事業領域を展開する事業会社です。 現在は、「人材・メディア・ヘルスケア」という3つの軸で30以上の事業を展開しています。
採用ピッチ資料の構成はシンプルで、「会社を知る」「事業を知る」「環境を知る」の3つに分かれています。
「環境を知る」の「働く環境」では、働き方改革として「20:30にパソコンがシャットダウン」という特徴的な社内環境を紹介。パソコンを指定の時間に強制シャットダウンすることで、過度な残業を抑制するという取り組みに会社の姿勢や価値観がうかがえます。
LINEヤフー
LINEヤフー株式会社は、メッセージアプリ「LINE」やポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営する日本最大手のインターネット企業です。
新卒採用ビジネスコンサルタント職種の説明資料では、職種の特徴を「データドリブンな提案ができる」「クライアントの事業成長に携われる」「社会に大きなインパクトを生み出せる」と3つのポイントで紹介。それぞれの詳細についてもその後に記載しています。
業務の肝となるクライアントへの提案の流れについて、次のように図解で示すことで業務内容がイメージしやすくなっています。
Natee
株式会社Nateeは、クリエイターを起点としたSNSマーケティング支援事業を展開する企業です。
採用ピッチ資料では、表紙に社員の集合写真を入れて、会社の雰囲気が感じられるようになっています。また、随所に社員の顔写真が配置されているため、どんな人が働いていて、社風がどんなものかが写真を通じて自然とうかがえます。
BuySell Technologies(バイセルテクノロジーズ)
株式会社BuySell Technologiesは、着物・ブランド品などのリユース事業を行う会社です。
採用ピッチ資料では、43ページのボリュームで業界を取り巻く状況や事業内容、社員構成、働く環境などについて記載しています。特に「新卒が活躍できる環境」として、新卒入社のメンバーを顔写真付きで紹介することで、若手社員の雰囲気を伝えています。
BEENOS
BEENOS株式会社は、国内外でEコマース事業やインキュベーション事業などを行う持株会社です。グローバルコマース(越境EC)事業、エンターテインメント事業、 インキュベーション事業(新規事業創造および投資事業)などを行っています。
2025新卒エンジニア採用ピッチ資料は、会社概要・事業について・カルチャー・開発組織・働く環境・BEENOSが目指す姿の6つで構成されています。越境EC事業を行っていることもあり、個性豊かなグローバル人材を顔写真付きで紹介し、会社で大事にしている価値観や姿勢、社風が感じられます。
採用ピッチ資料の作成方法
採用ピッチ資料の作成の流れは次のとおりです。
- 採用ピッチ資料の目的を明確にする
- 採用ピッチ資料の基本構成を作る
採用ピッチ資料の目的を明確にする
採用ピッチ資料は、単なる会社紹介ではなく、「求職者がこの会社で働きたい」と思わせることが目的です。そのため、以下を意識しましょう。
- ターゲットを明確にする(エンジニア、営業、マーケターなど)
- 会社の魅力をストーリーとして伝える
- 求職者の関心を引くデザインや構成にする
採用ピッチ資料の基本構成を作る
採用ピッチ資料の基本的な構成は、次のようになっています。
- 表紙:会社名、ロゴ、キャッチコピー
- 企業のミッション・ビジョン:企業が目指す世界観や価値観を簡潔に伝える
- 会社概要:設立年、従業員数、事業内容など数字を用いて簡潔に記載
- サービス・プロダクト紹介:どんなサービス・プロダクトを提供しているかを示す
- 会社のカルチャー・価値観:経営理念や大切にしている価値観・社員の働き方など
- 仕事・ポジションの紹介:求人ポジションの概要(役割、期待するスキル、キャリアパス)
- 働く環境・福利厚生:リモートワーク、フレックスタイム、副業可否
- 社員の声・成功事例:現社員のインタビューやエピソード、入社後の成長ストーリー
- 採用プロセス:応募から内定までの流れ、面接回数や選考基準
- クロージング:「あなたと一緒に働けることを楽しみにしています!」といった前向きなメッセージとともに応募方法や問合せ先を記載する
表紙には視覚的にインパクトのあるデザインを使用し、ターゲットユーザーが次のページを見たいと思わせるようなものにしましょう。企業のミッション・ビジョンでは、「なぜこの会社が存在するのか?」をもとに、自社の有用性・存在意義を伝えます。
サービス・プロダクト紹介では、他社との競争優位性(他社とどう違い、どんな点で優れているのか)を明確にしましょう。会社のカルチャー・価値観は、社内の雰囲気などもできる限り伝えることで、ミスマッチを防ぎます。
仕事・ポジションの紹介で、実際の業務内容やチーム構成を記載します。働く環境において教育制度や社内イベント、社内文化なども記載しておくと良いでしょう。
採用ピッチ資料において、求職者が疑問に思う点をつぶしておくことで、求職者は入社後の働く姿をイメージしやすく、面接での会話の精度が高まることが期待できるでしょう。
採用ピッチ資料作成にかかる時間
採用ピッチ資料を作成するのにかかる時間の目安は、次のとおりです。
- 訴求ポイントの情報整理:2~3時間
- 構成作成:5~7時間
- デザインパターンの検討:2~3時間
- デザインパターンへの構成の入れ込み:10~20時間
- 必要な情報収集:2~3時間
採用ピッチ資料の作成で意識する3つのポイント
採用ピッチ資料を作成する際は、次の3つを意識しましょう。
- 「資料」に対する熱い想いを綴る
- 社内の雰囲気が伝わるキャプチャを載せる
- ありのままの姿を見せる
採用ピッチ資料を作る際は、単なる会社説明ではなく、「熱い想い」「リアルな社内の雰囲気」「ありのままの姿」をしっかりと伝えることが大切です。
上記の3つを意識することで、求職者の共感を呼び、企業にフィットする人材と出会いやすくなります。求職者が「この会社で働きたい!」と心から思えるような資料を作りましょう!
「資料」に対する熱い想いを綴る
採用ピッチ資料は単なる会社紹介ではなく、求職者の心を動かすものにする必要があります。そのためには、企業の「想い」をしっかりと伝えることが重要です。
✅ 企業のミッションやビジョンを明確にする
「なぜこの会社が存在するのか?」
「どんな未来を創りたいのか?」
これらを熱量を持って語ることで、求職者の共感を呼びます。
✅ ストーリー性を持たせる
会社の成り立ちや苦労したエピソード
代表や社員の想い、働く意義
単なる事実の羅列ではなく、感情が伝わるようなストーリーを盛り込むと効果的です。
✅ 求職者へのメッセージを込める
「こんな人と一緒に働きたい」
「あなたの挑戦を待っています」
といった言葉を入れることで、求職者が自分ごととして捉えやすくなります。
社内の雰囲気が伝わるキャプチャを載せる
文字だけの資料では、社内のリアルな雰囲気が伝わりにくいです。実際のオフィス風景や社員の働く様子を視覚的に見せることで、より具体的なイメージを持ってもらえます。
✅ リアルな社内風景の写真を活用
仕事風景やミーティングの様子
社員同士の交流(ランチやイベントの様子)
オフィスの環境や設備
✅ 動画やスライドショーも活用可能
社員インタビュー動画
1日の業務の流れをまとめたムービー
こうしたビジュアル要素があると、求職者が実際に働くイメージを持ちやすくなります。
✅ 社員の表情を意識する
笑顔や真剣な表情を写した写真を使うことで、会社の雰囲気をダイレクトに伝えられる。
ありのままの姿を見せる
採用資料は「良いことだけを伝える」ものではありません。企業のリアルな部分も隠さず伝えることで、求職者とのミスマッチを防ぎ、本当に合う人材と出会うことができます。
✅ 会社の課題や成長フェーズを率直に伝える
「今、会社としてここが課題だけど、一緒に乗り越えたい」
「急成長中で整っていない部分もあるが、それを楽しめる人と働きたい」
こうしたメッセージを含めることで、共感する人材を惹きつけられます。
✅ 実際の働き方やカルチャーを隠さない
「残業は少ないけど、繁忙期は忙しくなる」
「自由度が高い分、主体性が求められる」
など、リアルな働き方を伝えることで、入社後のギャップを減らせます。
✅ 実際の社員の声を掲載
「この会社で成長できたこと」
「入社して驚いたこと」
など、ポジティブな面もリアルな課題感も伝えることで、誠実な企業姿勢が伝わります。
採用ピッチ資料作成のメリット・デメリット
採用ピッチ資料を作成するメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
・企業の魅力を一貫して伝えられる
・採用プロセスが効率化する ・企業文化が視覚的に伝わる ・企業ブランディングにつながる ・ミスマッチを防ぎ、離職率を下げられる |
・作成・更新に手間がかかる
・良い面ばかりを強調するとギャップが生じる ・競合と差別化しにくい ・一方通行の情報発信になりやすい |
重要なのは、「企業のリアルな魅力を伝えつつ、求職者が本当に知りたい情報を盛り込むこと」です。しっかりと戦略を練って、効果的な採用ピッチ資料を作成しましょう!
企業の魅力を一貫して伝えられる
求職者に対して、統一されたメッセージを届けられる点が大きいと言えます。
- 採用担当者や面接官によって伝え方が変わるリスクを軽減
- 会社のビジョンやカルチャーを明確に伝えられる
たとえば「当社は〇〇業界でトップシェアを誇る成長企業です」といった明確な強みを一貫して伝えられます。
採用プロセスの効率化
事前に会社の情報を理解してもらうことで、面接の質が向上することが期待できます。
- 基本的な企業説明を省略でき、面接でより深い議論ができる
- 採用担当者の業務負担を軽減
たとえば、事前に資料を共有し、求職者が「この会社のどこに魅力を感じたのか?」を面接で深掘りすることができます。
企業文化や働く環境が視覚的に伝わる
文章だけでなく、写真・動画を活用できるため、社内の雰囲気が伝わりやすいのも魅力です。
「働く社員の姿」「オフィス環境」「イベントの様子」などを掲載することで、求職者が入社後のイメージを持ちやすいと言えるでしょう。
たとえば、社員のリアルな仕事風景の写真を載せることで、求職者からは「実際に働くイメージが湧いた」ということもあります。
企業ブランディングにつながる
採用資料が会社のブランドイメージを向上させるツールになります。
求職者には「この会社、なんか良さそう!」と直感的に思ってもらえるだけでなく、顧客や投資家へのアピールにも活用可能です。
たとえば、スタートアップが「革新的な企業文化」を打ち出し、優秀なエンジニアの採用に成功するということも期待できます。
ミスマッチを防ぎ、離職率を低下させる
「ありのままの会社の姿」を伝えることで、求職者の期待値を適切に調整できる効果も。「思っていたのと違う…」というギャップを減らし、定着率向上にもつながるでしょう。
たとえば「自由度が高い分、主体性が求められる」など正直な情報を掲載することで、自社に合う人材が集まりやすくなります。
作成に時間とリソースがかかる
質の高い資料を作るには、企画・デザイン・編集が必要です。会社の魅力を整理し、デザインにもこだわる必要もあります。
さらに、定期的な更新が必要であり、古い情報のままだと信頼を失うリスクもあるため注意が必要です。
対策としては、次の3つがあります。
- テンプレートを活用し、効率的に作成
- CanvaやGoogleスライドを使い、手軽にデザイン性の高い資料を作成
- 採用ピッチ資料の作成を外注する
リクルートコンサルティングでは、主に採用コンサルティングと求人広告においてサポートを行っております。採用において課題を感じている企業はお気軽にお問い合わせください。
企業の「良い面」ばかりを強調しすぎるリスク
求職者が「実際の職場」とのギャップを感じる可能性があります。理想的なイメージを作りすぎると、入社後に失望されるリスクがあることに注意が必要です。
対策としては、次の2つです。
- 会社の課題や大変な部分も正直に記載
- 社員インタビューなどで、リアルな声を反映する
他社との差別化が難しい
似たような企業の資料と内容がかぶる可能性があります。
「成長できる環境」「裁量権がある」などの表現が一般的すぎると、埋もれてしまうでしょう。
他社と差別化するために、次の2点を意識しましょう。
- 自社独自のエピソードや具体的な事例を入れる
- 競合との差別化ポイントを明確に記載
情報が一方通行になりがち
資料を渡しても、求職者がしっかり読んでいるとは限りません。
資料だけではなく、対話を通じて補足説明を行う必要があります。
次のようなことを意識しましょう。
- 資料を渡した後に、求職者からの質問を引き出す場を設ける
- 動画コンテンツを取り入れることで、視覚的にわかりやすく伝える
まとめ
この記事では、求職者に向けて会社の魅力を伝える採用ピッチ資料の作成方法やポイントなどについて解説してきました。
採用ピッチ資料を用意しておくことで、ミスマッチの解消や定着率向上、質の高い面接にもつながります。ぜひ資料を作成し、優秀な人材確保につなげましょう。
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